May 2002アーカイブ

この業界こんな人がいるから誤解されてしまうのではと思う事が時々あります。
例えば、あまり親しくなくても、その方が私のことをとてもよく知っているように言われたり、名刺交換した事が一度あるだけなのに、その方と私は親友になったり、古くからの友人という方までいたりして本当に面白いものです。誰かの友人、そのまた誰かから聞いた事なのに、いかにも自分が直接聞いたように話す事のとても上手な方までいたりして、この業界何だか混乱してしまう時もあったりします。また、年に1、2回どこかで偶然お会いするたびに、「今度ご飯でも食べに行きませんか?」と何年も言うだけの人など、信じやすい体質の私は、若い頃はとてもとまどったものでした。

最近はこんな状況やそんな人にも慣れて、「口だけの人は嫌いです。」と言えるようになりましたが…。でも普通の会社でもこんなことは良くあるのでしょうか?
あまり固い社会で働いた事のない私は、他の業界で働いている友人に聞いてみました。
そうすると、やはりそんないいかげんな人はいないし、ご飯の話にしても、「誘ったら絶対にその日や、その時に出かける。」と言われて、それがあるべき姿と確信したものです。

では、何故こんな人が多くなってしまうのでしょうか?
それは、多分この業界の人特有の社交辞令がこの「今度、ご飯でも如何ですか?」なのでしょう。一番お互いに傷つかないし、仲良しになるための一番の近道だと思っているのでしょうか。それとも仕事の延長上に、このご飯があると考えているのかもしれません。でも、私にとってはこの美味しいものを一緒に食べる人というのは、とても大事な人ですし、時間を共有する事は極端な事を言えば、かなりプライベートな関係になってもいい気持ちを意味します。だから、そう簡単にご飯には誘えないし、誘ってほしくないのです。(仕事の打ち合わせは別ですが…)

皆さんは、この感覚どのように思いますか。堅苦しいでしょうか。偏屈でしょうか。
だからという訳ではありませんが、社交辞令的なご飯や、気持ちのない人とご一緒するのはどうも好きになれない私です。最近、ますます自分の時間が大切に思えてきています。多分、年令のせいでしょう。それとも、こんな業界で仕事をしているからでしょうか。このところ、ご飯を食べる人は違う業界の人がとても増えていて、そしてそこで学ぶもの、新しい発見が何とも言えず愉しいし、刺激的でうれしい気分になります。そしていつまでたっても社交辞令的なご飯は苦手な私です。

このところ、大人のおしゃれな遊び場がないというのが私の悩みです。
昔のように、毎日毎晩遊びまわる事は、さすがにありませんが、たまには馬鹿騒ぎ、朝帰りもしてみたいものです。その際に行く所も、美味しいご飯、ゆったりしたバー、で終わるのではなく、ノリノリでライブが聞けたり、クラブではなく大人のディスコのようなところで踊り狂いたい気分の時があります。

ちょうど、1980年代後半から1990年バブルの頃を境にして、どんどん少なくなりつつある大人の遊び場、しかも女の30代位以上の人がのんびり出来たり、いい気分になれたり、皆で騒げたりするところが何だか全然ない!そう思いませんか?
少しおしゃれして、皆で遊びにいけるところ…、何故だか今の流行は、こじんまりした人数で、しかも密室、個室でしっぽりというのが流行らしいのですが、ワイワイガヤガヤできる空間が無いんですよね。一昔前は、六本木や港区海岸あたりに不思議な空間、ビルがあってそこに行くことで、違う世界を覗けたのに今は、もう跡形もない。ビジネス上で考えると確かにバブルがはじけてお金も、人も減ってしまったかもしれないけれど、何だかこういう所がどんどん無くなっていくのは、とても寂しい気がします。他人の好奇心を体中に浴びて、あのディスコのVIPルームに入ったり、階段を降りて踊り場にいく感じ。たまには味わいたいものです。(あの不思議な快感を、知っている人は懐かしいのでは…。)

来年ぐらいに、完成する東京の高層ビル群、どのくらいできるのか知りませんが、こんな大人の集まる、大人の遊べるところを作ってくれる人がいたらいいなぁ。なんてかすかな期待をしているのは私だけ?自分のお家で好きな人と、好きな時間を過ごすというのも、それはそれで愉しいけれど、人と出会う事が仕事以外では、どんどん少なくなっていくこの状態、この環境、私は少し不満です。
そして、たまにはうんとおしゃれして、バカでもやってみたいものです。
きっといい気分転換になるような気がします。そう思いませんか?

私にはとても大事な友人が何人かいる。
もちろん大事と思えるのには訳があり、何でも話せる、会うと楽しい元気になる、刺激になる…など、いろいろな理由はあるけれど、知り合った頃この人となら、永いお付き合いができるのではないかと思える理由の一つにその人からの些細な一言だったりする事があった。

例えば、食事をご馳走になった時には、すぐにお礼の電話やメールが来る。例えば、少し落ち込んだときにメールをしたり弱音を吐いたりしたときに、ホンの一言「頑張ってね。」とか「大丈夫よ、そんなことはよくある事、時間が解決してくれるはず。」「それより、この間ごはんした時元気がなかったけど、何かあったの…。」のように、その時にはそんな一言を言わないのに後で、お礼とともにホンの一言さらっと言ってくれる、それが妙に心を暖かくしてくれたりするもの。
皆さんにもそんな経験はありませんか。

この間も、実はいろいろな事があり、とても落ち込んでいました。でもその日は、仕事での打ち合わせが夜に入っていてどうしても、夕食を外部の方としなくてはなりませんでした。もちろん、自分ではいつもとかわらないように元気に明るい仕事顔で、その打ち合わせに参加し、そしていつもと変わらないように、しゃきしゃきと話し、食べ、飲み無事に2時間を過ごしました。もちろん、仕事中は落ち込んでなどいられないので、そんな素振りも見せませんが、「お疲れ様でした!失礼します。」と、皆さんと別れた途端、いつもの何十倍もの疲れが押し寄せてきて、家路についたのを覚えています。そんな翌日、その時に打ち合わせしていた一人の方から、ご馳走様のメールに励ましの一言が添えられていた内容のものが届きました。
「昨日は、ありがとうございました。でも、なんだかいつもと違ってお疲れの様子でしたが、何かありましたか?あまり無理をしないようにね。」と、その方とはそれまで仕事だけのお付き合いでしたが、この一言でとても近しい感じがして、暖かい気分になり、仕事仲間というよりもお友達としての距離がグーンと近くなったように感じたものでした。こんな風に、ほんの一言でとても幸せな気分になれたり、時には逆に傷ついたりするものです。

人は、年を重ね、仕事に追われてくるとどんどん我侭になり、人の気持ちが、思いやる事ができにくくなってきます。自分が今までで、とても嫌だと思ったことを、他の人に知らないうちにしてしまったり、自分が自分がとなってしまう時があります。それはとても怖い事です。何かをするにも、何かをしてもらった時にもきちんとお礼が言える、伝えられる、そしてその言葉に気持ちがきちんと入っていれば、このときに、私が感じたようないい気持ちにしてくれるものです。
つまり、感謝の心がきちんと伝えられる事。そして、それがきちんとできる事が意外と難しいのです。それができてこそ人とのいい関係が生まれいい仕事ができるようになるはず。そして、そういうことが出来る人こそ仕事の出来る大人の人といえるのではと、つくづく感じている私です。

お店がオープンして7ヶ月がたち、最近ますますこの仕事の難しさを感じています。
お店に来てくださっているお客さまはいったい何を一番望んでいるのだろうか?
また一番やってほしい事は何だと思っているのだろうか?
と、時々考えだしてしまい、眠れなくなってしまうこともしばしば。

お店に並んでいるものも、本当に今のままの商品でいいのだろうか、サービスは満足しているのだろうか、接客や応対に問題はないのだろうか…。
それでも売れるもの売れないものが出来てしまうのは何故なのだろうか。イメージはどのように外の方には届いているのだろう、そしてそれをどのように理解し、それを彼らはどのように感じているのだろうか。何だか、考えれば考えるほど不安なってしまうのです。

そこで、私はすごく自分勝手考えなのですが、こんな時ほど必ずこの仕事を始めようと思った最初の時に戻るようにしています。
自分が働いていて着たい服、欲しいもの、人にプレゼントしたいものがない、それならそれを作り集める、そして値段にもこだわり、きちんと働く時に着れるものを供給し、それを着た自分がいい気持ちになれて仕事が楽しくなる、またそれを見た周りの人たちも嬉しい気持ちで接することができる。そしてこのコンセプトが、もう一度きちんと出来ているか考えるようにしています。ついつい、小売というのは毎日の売上に支配され、その時々でどうしても揺れ動いてしまいます。売れた事ですべてがうまくいっていると思ってしまったり、売れないとすぐ慌てて最初のコンセプトにない動きをしてしまったり、中期的にものを見たり、考えたりが出来なくなってしまいがちです。それはとても恐ろしい事。これでは本当の意味の自分達のビジネスプランが、いつまでたってもできる訳がありません。このお店に来る事でしか手に出来ない事、物、人これが何なのかを常に考えていかなくてはなりません。そのためには、きめの細かい対応、商品展開、資金運用、投資、この事を皆が常に意識してやって行かなくてはならないと思います。そして、私達一人一人が今までの経験を生かし、戦略をもって仕事を組み立てる事。マネージメントをする事。プロの意識をもち、常にお金のことも考えながらやる事、これが必要だと思います。

新しいことは楽しいけれど大変です。そしてそれは成功しなくては、楽しい事にも新しい事にもなりません。いい意味で周りの人と手を取り合って、時には巻き込んで、良い環境・良い関係でやっていきたいと思っています。時には頭を下げてお願いすることが、内・外の方々との間で多くなるかも知れませんが、こういう仕事は本当に一人では何も出来ませんし、一人よりも皆で力を合わせたほうが、多くの事ができるし動かせるはずですから。

やっと 皆さんにも少しは認知してもらえるようになったのです。
これからが勝負の時、そう思っているのは私だけでしょうか。
小売業の面白さと、難しさに日々悩んでいる私です。

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