September 2002アーカイブ

ミラノから

6ヶ月ぶりにミラノに来ています。
目的は、ミラノコレクションと来年の春夏に向けての買い付け、そして街・店・人を見ることです。
オシャレな人は今、何を着ていて、何が流行っていて、今一番の興味は何なのか?街中を歩いて、見て・自分の肌で・心で感じます。それが時として思った通りの事があったり、全然何も新しい感じがしなかったり、その時々でいろいろですが、私は自分の目とカンを信じています。それがとても自然に理解できたり、共感した時は、今までも必ず次のシーズン、その色、その形が街中を埋め、またファッション誌を賑わせてきたから…。エストネーションをスタートさせた時も、この自分の欲しいもの・着たい服・イメージを絶対に信じて、物作りしたり、物集めしようと思っていたし、そしてそれがイコールコンセプトなんだって。

でも最近、ファッションショーを観ていて、またファッション業界の人を見ていて、「この人達、本当にオシャレが好きなのかしら?mode-modeと流行のものばかりを着ていて、それが自分に馴染んでいるの?」なんて時々周りを見回してしまいます。またブランドの仕事をしている人は、本当にそのブランドが好きで、デザイナーが尊敬できて、誇りに思えているのでしょうか?私なんて、アルマーニの仕事をしていた時、ショーが終わった後、あまりにも美し過ぎて何度、胸が熱くなったことか…。本当に鳥肌が立つくらいゴージャスでエレガントだった事を思い出しました。そしてその経験が、感動が、今の私の誇りであり支えのひとつにもなっているのです。 だからどんな小さなショーでも、新人の方の場合でもショーを見ると、ファッションは楽しいし、偉大だと感じます。そして帰り道、モデル歩きになってしまっている自分がいたりします。「来年は何を着ようかな?どんな色が良いかしら?」と考えているニコニコ顔の私が。

ファッションとは、私にとってはビジネスではなく自分の一番好きな事、興味のある事、想像力をかきたてられ、美しいものを美しいと一人でも多くの人に伝えたいモノ…。
何だか元気が出てきましたよ!ミラノに来たおかげで…。
期待してくださいね!2003春夏を。

先週久しぶりに2回もブラックタイのパーティに参加しました。
一つは、フレンチレストランのオープニングパーティ。値段もクオリティも高い、かなり高級な感じ。もちろん顧客の方々の平均年齢は40歳以上の感じで、ブラックタイも上手に着こなしていて、とても美しい雰囲気でした。女性はもちろんロングドレスの方も多く、とても優雅で夜景ともマッチした美しい空間になっていました。

もう一つは、土曜日の夕方から始まった皇居を眺めながらの、素敵な還暦パーティ。
発起人の方々の素晴らしい顔ぶれもさることながら、その日の主賓の方の個性的でおしゃれな事といったらワクワクしました。ファッションの世界で働いている方は少し違う、個性的で独創的なコーディネイト。まさしくクリエイティブなお仕事をされている大人の雰囲気でした。二人でいても、一人でいてもその人なりのスタイルができていてそれはそれは素敵でした。器、飾り、味すべてが気取っていないけれど楽しい。東京の夜なのに何だかリゾート地にきてしまったようなリラックスした雰囲気が嬉しかったです。 60代をはるかに超えている方々の美しいタキシードや着物、ロングドレスの着こなしには、ちょっと驚いてしまいました。多分、昔からオシャレな人達は、こんな風に皆で正装をして集まったのでしょう。

こういう方々の中に入ると、私なんてマダマダ半人前の子供。皆さんに教えてもらう事ばかりです。その興味深いお話の内容、豊富な話題といったらなんとも言えません。勉強とはやはり人に会う事、人から学ぶ事とつくづく感じたものです。私は若い頃から、早く大人になりたいと思っていました。学生の頃などは、特に年上の人達と遊びに行ったり、ご飯を食べに行ったりしては、自分も少し大人の仲間入り、大人になれたような気分を味わいながら楽しんだものでした。耳年増と言われるぐらい、背伸びをし何でも教えてもらい、連れて行ってもらい、自分なりに分かる事も理解できない事も積極的にトライしていた好奇心旺盛な女の子でした。その私が最近はどこに行っても一番年上になり、どちらかというと教える側になっていたのに、今回は久々にその逆。とっても嬉しい夜でした。そして、素敵な大人の皆さんにまたお目にかかりたいです。

30歳を過ぎた頃から、私にも何人かの部下という人を持つようになった。
年齢も近いし、仕事のキャリヤもあまり変わらないのに会社の中では自分が何とかしなくてはならないと、最初のころは頑張ってしまったものだ。自分の思いどうりにならないといっては悩み、自分がこんなにやっているのに彼らには全然伝わらないと言ってはイライラし、何だか今思うと何を一人で頑張ってしまったのだろうかと思う。自分のこともマダマダ半人前なのに人の面倒を見る、見れると勘違いしていたのだろう。

外部の人に指摘されたり、目上に人に言われると素直に聞けたことも、この部下という立場の人から言われると素直になれずに片意地張ってしまった事も、何度もあった。そんなやりとりを繰り返した時、ふと自分がなりたくないと思っていた、肩に力の入った人になっていることに気がついた。知らない事を部下の人に教えてもらう事を拒否したり、自分は何でも知っているデキる奴なんだと思わせる、心の狭いネガティブな考え、嫌な上司。今まで自分がこんな風になりたくないと思っていたような上司。誰だってこんな人に使われたくないのは当然だし、一緒に仕事をしていて楽しい訳がない、もちろん信頼できるはずもないし尊敬もしたくない、人間的にも小さい上司。

でもこんな時、一人、会社のキャリアも年齢もあまり変わらない部下が私のチームに加わった。彼女はもともと仲良しだった事もあり、私の悩み、部署の方向性、会社の中でのポジションなど、他の人には話せないことが何でも心を開いて話せ、私にとっては本当に強い味方となってくれた。そしてこの彼女のおかげで、もともとの自分らしさや仕事のスタイルを取り戻すことができるような気がする。自分の出来ない部分、弱いところを補ってくれる強い味方を得た私は、皆を公平に冷静に見れるようにもなれ、 徐々に私のチームは、一人一人の得意、不得意を見極めながら担当制をひき、皆が歯車となって動きだした。そうするとどうだろう、何だか一人では10しか出来なかった事が、皆でやれば50にも100にもなり、結果、評価が生まれ、会社の中でも一目置かれ、皆がますます張り切り、仕事として個人個人の考えを言いあえるようになるし、楽しい感じになってきた。そして、私も上司と部下ではなく皆が仲間、チームメイト、自分のブレ―ンと思えて、気持ちも軽くとても前向き、元気になってきた。このときの経験があるからこそ、今とても自然体で働ける自分になれたと言っても良いだろう。そして、今でもその当時一緒に働いた皆に会うのが楽しみでしようがない。
もちろん私の後を引き継いで、頑張ってやってくれていた彼女にも。

もしも、皆さんも自分が部下を持ったりしたら、その人との相性や仕事についての考え方で悩む時があると思います。そんな時、部下と思わず仲間、大事なブレーンと考えてはどうですか。そして、正直にいろいろな事を心を割って話し合う時間を持つこと、命令ではなく、お互いの意見を言うこと、聞くことに真剣に取り組む事。そして何よりも自分ひとりでは何も出来ない事を自覚する、相手を認める気持ちを持つことをお奨めします。そうすれば、どんどん道は開けるものですよ。

この頃、自分が少しずつ老化していくことが見えてきています。
例えば、丸くなりつつあるウエスト、ヒップ周りや、白髪がますます増えてきている隠しがたい状況、顔のシミやシワは季節に関係なく増加、繁殖するし、もう嫌になってしまいます。でも、その中で一番バレバレなのが、老眼鏡。友人、仕事関係の方と暗がりにご飯に出かけたり、海外で仕事をしたりする時など、何だかスッキリしないことが多くなり、もしやもしや、そろそろなのかもと…ドキドキしてしまいます。

この老眼というのは、どうも年齢とともに目の周りの筋肉が老化して焦点が合い難くなる事が原因。誰にでも起こる事のようです。特に私のように裸眼で視力の良い人は早くなると言われていて、よく持ったというのが周りの人の感想でした。でも、暗がりでこそこそと小さなメガネを出してかける時の、何だか恥ずかしいような、少し大人になった?嬉しい気分といったら。
(海外では使い出していますが、日本ではまだ辛抱していましたが…。)「あれっ!ついに老眼?」とか、「何そのメガネ!へぇ~やっぱり来ましたか?」とか人により反応は様々、仕方がないとは言うものの、どうも複雑な心境です。

極端な言い方かも知れませんが、自分が女である事を少しずつ拒否していく、奪われていくそんな感じ。誰かを好きになるようなことが起きても、この老眼鏡をかけている人なんて、オバさんぽくって嫌がられるに違いない!なんて自分で自分を慰めたり、納得させたりしたりして妙な気分です。でもその反面、なんとなくこんな私でも、こんな老化の進んでいる状況でも素直に受けとめてくれる男の人が出てきたら、なんだかすごく嬉しいし危ないかもとか、女45歳いろいろと考えさせられるものです。しかしその反面、近頃は年をとっていくことが楽しい、嬉しいと感じられるようになりたいと思っています。

老眼鏡の似合う、大人の女、これが今の私のささやかな目標かも。皆さん、特に大人の男性はこんな女性を認めてくれる抱擁力があるといいですね。そして日本の社会も本当の意味で許しあえる、楽しめる大人の関係が生まれると嬉しいと思っています。
(そうだ!私は、老眼鏡をリーディンググラスと呼ぶことにしましょう。そうすれば少しは許せるかも。)

毎日、着ていく洋服を決めると言うのは楽しいようでもあり、大変な事でもある。
仕事の時はもちろん気分だけでなく、その日にお目にかかる方、その時の内容などによって決めたりしているけれど。でも時々、自分が考えているものを着た時に今日は新しい人でいけている人、今回はなんだか古くさい人と感じる時があったりする。皆さんはそんな風に感じる事はありませんか。

例えば、同じように白いシャツにシンプルなクロのスカートを着たとする。そうした時にシルエットなのか、サイズなのか、はたまた素材感なのか、何故かしっくりこない日があったりする。そんな時、私は慌てて全身が写る鏡の前に行き、その日の自分をくまなくジロジロ見てみる。そもそも白いシャツや、ポロシャツ、Tシャツ等と言うのはどうもあまり変化がないように思っていたりする人も多いかもしれないが、実は意外にシーズン毎で微妙に変化していて、それが流行イコール新しいと言う事になるらしい。今の主流は全体的にシルエットがタイトなもので、体の線が見えるくらいのラインが多い。だから、2年ぐらい前のものだとゆとりがありすぎて古臭いスッキリしない感じになってしまう気がするのだろう。

でも、こうやっていつも新しいスタイル探しをしている私に、時々とても馬鹿バカしくなったり、疲れない?いつもそんなことばかり気にしていているのは…。と言われる事があった。
しかし私はこれをやめてしまうと、一気におばさん化の道を転げ落ちてしまうようになり、取り返しのつかない事が起きてしまいそうな気がして、そういう新しい人、服、物探しを怖くて止めることができない。ある雑誌の方と話したときも同じような話題になり、今は年齢で人をまとめる事も出来ないし、分ける事も出来ない。そして、本当に個人個人でその差はとても違っていて、驚くことがあると言っていたのを思い出したし。でも、このようなことはとても良いことで、怠け者の私なんてそういう周りの人に常に刺激を受け、お手本があるからやっていけている人のひとり。そして、常に自分の中の新しい人、スタイル探しを楽しんでいる感じなのだ。
いつまでも、自分のなりたい自分、好きな自分を目指して頑張って生きましょうよ。
他の人に振りまわされる事なく自分のやり方で。
それができてこそ、いつまでも新鮮な本当の意味での新しい人にもなれるし、楽しめるのでは。

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