OLD midroom

小さな使命

男性ファッション誌のお仕事をさせていただくたびに、日本の男の人も今が頑張り時、ここを上手に切り抜ければイタリア男にも負けない未来があるのではと感じはじめています。

その根拠は今まで、男性のファッションにはルールというものが存在し、それがあるおかげでなかなか楽しむ事が出来なかったという事実があります。でも、今それが少しずつ変わろうとしている、変わりたがっている人が増えているように思えるからです。今まで雑誌のウンチクを読むこと何10年、それを知っていれば安心し、自分はオシャレと思い込む。そんなことを嫌というほど繰り返しやって来た時代はもう終わったのではないでしょうか。

確かにこのルールを知ることはオシャレの入門編としては大切だし、役立つとは思うのですが、 30代、40代になればそんなことよりも、自分らしい、または自分にあった物を選ぶこと、そして着ていて美しいもの、着心地のいいもの、周りの人とのコーディネイトやコミュニケーションと、考える幅は広がってこなくてはいけないはずです。そしてそんな風に広げたいという人も絶対に増えていると思います。

でも、なかなかそれを上手に実践している人は少なくて、キレイな男の人好きの私はかなり寂しい気分です。ファッションについて言えば人の目を意識する、お互いに誉めあう、アドバイスや意見を言い合うことも少ない今の日本の状況では、いつになったらそんな事が自然にできるようになるのでしょうか。私が今やらなくてはいけないこと、一番興味があることは、自分の友人、家族、仕事の仲間が少しづつ変化し、カッコ良くなり、皆がハッピーになる、モテるようになる、そんなことの手助けを地道に少しづつやっていけたら嬉しいし、それが雑誌や、エストネーションというお店の使命だと考えているのですが、皆さんはどう思われますか。

誰かが、またメディアがそういうメッセージを発信し続けれる事、お店がいいものを作り、オシャレやお買い物が楽しいと感じさせてくれる状況、それがこれからは何よりも必要だと思います。オシャレをすることは、生きている楽しみのひとつです。違う自分になる、新しい自分を見つける一つの方法なのです。また、美しいもの、美しい人を見るという行為は、周りの人をとてもハッピーにしてくれます。そして、自分がとても気に入ったものを着ている時のウキウキ感、嬉しさと言ったら最高です。
だから、楽しいのです、やめられないのです。

この数年、明らかに女の人の方が優位で引っ張ってきた社会状況もそろそろ対等に持ちつ持たれつ、時には支えあいながらやっていきたいものです。お互いに異性の目を良い意味で意識し、刺激しあえる関係。同じ物を見て、聞いて、触れて素適だと思える、そんな気持ちを30代以上の大人の私達が率先してつくり続けていければ嬉しいです。

いろいろなことが過渡期の日本? 変革の日本…、
身近なことから変えていけたら、また変わっていけたら……、そう感じています。

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