OLD midroom

第二の故郷。

先日母の3回忌の為に、父の故郷三重県のお寺に行く機会がありました。
東京に長く住んでいるのに、この法事という家の仏事になると、何故か父のルーツである三重県の津に近い久居という町に戻ります。先祖のお墓のあるお寺に行き、父が立てたという赤い御影石のお墓に手を合わせ、自分の中に流れている強い血を感じます。父が亡くなってから、何回も足を運んだこの場所に、今度は母の納骨の為にいる自分がある意味不思議で、とても考えさせられてしまいました。

母が亡くなってからかなりの長い時間、私は母のお墓を、(父のお墓も)東京の私の近くに作りたいとかなり悩みお寺への相談や、お墓探しに時間をかけていました。その間、何と1年4ヶ月。でもそのおかげでその時間母と一緒に私の部屋で過ごすことができました。朝起きて、「おはよう」、出かける前には「行って来ます」「ただいま」「今日は疲れた」「今日は寒いよ、、、」なんていろいろなことを言いながら、毎日、毎晩、昔のように話して過ごしました。きっと、「毎日なにやってるの?こんなに遅くまで飲んでいてはだめよ。」「キレイにして出かけなさい。」「車の運転気をつけて。」と、私と母だけの分かる会話を続けながら。それでも、私の中では母と離れること、まめにお墓参りに出かけられないことへの決断が出来ず、ずるずるしていました、かなりの間。でも、周りの人の意見、説得、父の入っているお墓と分けるなんて、しかも彼まで持ってくるなんて、、、お父さんがかわいそうだし、ご先祖様に申し訳ない、、そう叔母にも兄にも言われ、ついに三重県にもって行くことを決めました。確かに私の我侭で、大好きな父と母を離れ離れにするなんて、できるはずがありません。そして、お墓を開け、父の大きな白い骨に包まれるように、小さくて細い母の骨を重ねた時、二人のホットした顔が、笑顔が見えたのでした。 これが一番幸せなことだったのだと、「ありがとう」と言っている二人の顔が。何十年も一緒に暮し、愛し合い、見つめ合ってきた、夫婦としての時間をもう一度今度はのんびり過ごしてくださいね、天国で。 私は、そんな二人の大きな愛を忘れずにがんばって生きていきますので。 お母さん、長い間一緒にいてくれてありがとう、昔のようにお父さんと仲良く、甘えて過ごしてくださいね。

この日を境に、やっと子供としての最後の役目の一つ終えられたようで少しホっとした私でした。めったに会わなくなった親戚の皆にも会えたし、祖母、祖父にも手をあわすことも出来たし、、、三重県も違う意味で私の第二の故郷だったんだなーーと感じながら。

※ コメントはすぐに反映されません。公開されるまでにお時間をいただきますのでご了承ください。

このページの上部へ

ARCHIVES