OLD midroom

30代に学んだこと。1

私は、ちょうど10年前ぐらいから、よく海外に仕事で行くようになった。

それまでも、友人とは旅行に行ったりもしていたので、バーニーズの面接の時も、英語は話せます。と言ったりしてかなり自信があった。

ところが、N.Y.に初めて、一人で出かけたとき、ビジネスで使う英語はこんなにも違うのかと、目の前が真っ白になった。言っていることは、ほとんど解かるのに、それに答えることができない。英語でなんと言ったら一番良いのかが、自分の頭の中では組みたてられない。怖くて、イエス、ノーが言えない。こんなところで、こんなにもどんどん決めていっていいのか、しかも英語で。もう、パニックの連続。

一週間で、あっというまに、白髪が増え、大げさではなく、10歳ぐらい年取った感じだった。普段は、どんなに長いフライトでも、飛行機の中で寝ることなどできない私も、そのときばかりは、疲れきってしまい10時間ほとんど何も覚えていない状態だった。

戻ってからもそのショックは続き、このままではどうしようもない、何とかしなくては、そう思い、慌てて英会話の学校に通い始めた。週2回の個人レッスン、一回が1時間30分、文法、発音、よく使うビジネス英会話,の構成で、暇さえあれば英語を聞くことから再度はじめた。次に仕事でN.Y.に行く前までの6ヶ月間、とりあえず前回に味わった屈辱と子供扱いされたことに対する、リベンジを目指して。

すると、おかしいことに日本語までもが英語に聞こえてきたりする。何だか頭の中の、音、リズムが完璧に、壊され始めていくのを感じた。

そんな、経験を味わうこと、6ヶ月。またまた来ました、出張の日が。

暇さえあれば聞いていた、英会話のテープ、スクールの教材、それに英和辞書、完全防備のいでたちで、いざ、、、、、、、。

飛行機も,もちろんUAで乗ったときから、24時間英会話スクール型を選んだし、もう後は、度胸のみ。そう思ったとたん、緊張と疲れでまたもや熟睡に入ってしまった。そしてついに、N.Y.の人たちとの会議の当日、言っていることが前よりもきちんと頭の中で訳されて聞こえてくる。英語を無理やり訳そうとしているのではないのに、日本語になっている。だから、自然と、イエス、ノーが、口から出てくるようになった。聞かれていることも、完璧とはいえないまでも、答えられるようになっていた。以前のように、何が言いたいのか、分からない、自分の言葉でなんと言ったらよいのか分からないという、パニックもかなり減っていた。 もちろん、初級だとは思うけれど、ビジネス英語の、入り口にはなんとなくたどりつけた気分で、本当に自分を誉めてやりたい気持ちと、こんな試練を、この30代で経験できたことを、心から感謝した。

皆さんも、どうしようもない状態になれば、やれる。こんな経験はありませんか。

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