OLD midroom

ホテルから学ぶサービス業の基本

私は実はホテルが好き。ホテルで食事、バー、エステ、スパなど、日頃からよく利用しています。車が停めやすい、サービスが行き届いている、清潔感のあるトイレタリーなど、非日常的な部分と身近な部分のミックスが何とも好きなのです。エントランスからロビーを抜け、目的の場所までのアプローチも心地良く、浴びせられる視線と緊張感で、いつもよりも背筋を伸ばして歩きたくなるあの感じが凄くイイ気持ちなのです。ほどよい距離感が何とも気持ち良く仕事の人と、また一人の時間、仕事での接待などと意外とよく使っています。

若い頃は、あの緊張感が疲れてしまい何だか苦手だったのですが、今はその緊張感が心地良くなるとは、人ってずいぶん変わるものですね。それに、バーなどもほとんどが24時に終わるので、変にグズグズ後をひかないで、人と気持ちよく別れられるのも好都合だったりして。それに、最近のホテルはインテリアもとてもシンプルで、上手に和のテイストを入れていて、個人的にも学ぶ所もとても多いのです。我が家のインテリアを考えたときも、トウキョウだったらオープン当時のパークハイアットやNYのいくつかのホテルの部屋を参考にしたり、いつかはあんな風に何もないけれどシンプルな中にも温かみのある部屋に住みたいなーとも考えたりしています。自分らしい空間、物の置き方、重ね方、散らかし方が微妙に計算されていて、洋服もそうですが、シンプルで引き算コーディネイト好きの私の感性をくすぐります。

器などやカトラリー、場所によってはお花などにも拘っていて心地良い空間に自分を置いてみると、本当に気持ちが落ち着くのです。アプローチの楽しさ、笑顔でのサービスなどはエストネーションを始める時にもとても参考にさせてもらいました。背筋の伸びた人との対応、おじぎのしかた、周りに対する配慮などはそのホテルの格を表します。お客様の満足度も全てそこで決まるといっても良いくらい、そしてそれは料金へもはねかえり、気持ちの良い時間を過ごせたことに対する報酬で部屋代が安い、もしくは高いという判断になってしまうような気がします。私達のお店も、きっとこんな風にサービスと物がちゃんと一致していないと、利用していただけないしリピーターにもなっていただけないのではと思います。今、サービス業の現場にいる私が、客観的に構えていてはいけないのですが、人を教育する、人をもてなす事の難しさと、楽しみをきちんと伝えていくのは本当に大変です。他人のこと、となりのことは良く分かるのですが、実際自分のこと、身近なことを直す、正す、やり続けるというのは難しいものです。

でも、ホテルから学ぶ事は確かに多く、サービス業の基本を表しているようなそんな気がします。最近、よく朝礼で「私達のお店はスペシャリティストアです。それには特別な商品、サービス、空間がまずは揃っていること。つまりは自分がそのお店を訪ねた時の心地良さ、楽しさ、満足度、だからここで買い物がしたいと感じ、好きになり、顧客になる、その方程式を作っていきたいと思っています。」と話しています。 それは、十分わかっているのですが…。

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