OLD midroom

30代で考えていたこと、6

横浜店のオープンの日、朝からどんよりとした感じで、しかも明日はもしかして台風が近くを通るかもしれない、そんな綱渡り状態でスタートしました。

場所も、横浜の山下公園横、確かにデートや遊びに行くには最高なのですが、プレスの方々や、取引先の方、もちろんお客様を呼ぶとなると、意外と距離があるもので皆さんにお越しいただくのはとても大変でした。
そこで、考えていたのが2部構成にして、昼間はプレスの方の内覧会、夕方からは横浜港で一番優雅な大きな遊覧船を使ってのお食事会とプレゼンテーション、そしてお店の中を見ていただく内覧会という、盛りだくさんのものでした。
何故こんなに、たくさんのメニューになったかというと、やはり横浜が普通に考えていたよりも遠かったということ、そしてどうせここまで来ていただくのならば、楽しんで帰って欲しいと思ったからです。体が幾つあっても足りない、本当にきちんと決められ通りに皆が動いてくれているのか、またお呼びした方々は楽しんでくれているだろうかと、胃がキリキリ痛くなるような時間、その上天気は下り坂。(どうにかしてほしい。神様助けてほしいなんて..。)神にも祈るような気分でした。

お店の内装やディスプレイもどうにか間にあって、商品もきれいに並び、お客様のいらっしゃるのを待つばかりでした。(何ヶ月も前から、横浜のお店に近いお家やマンションを一軒ずつみんなで訪ねて、バーニーズ・ニューヨークのことを説明したりしても、誰も知らなかったことなど、いろいろなことを思い出しながら・・・。)
また、お店の外観もとても美しく出来上がりました。新宿とも異なり海を意識した船のようなイメージ、他のお店とも全く違う、それはもう見ているだけで嬉しい気分になりました。当日は、1000人のご招待者の方々、国籍もミックスされたインターナショナルな雰囲気と今までにない異国情緒満点のレセプションでした。

私がここで学んだのは、お店はもちろんきれいな方が良いし、商品も大事だけれど、一番はやはり人、人が人を呼びその空気を作り、また楽しませる、それがとても大切だということでした。日本がいつまでも、大人になれないのはこのことが出来ていないとず~っと言われつづけてきましたが、こうして外国の方がほんの少しでも混ざると出来てしまうのは、とても面白いし不思議に感じました。18時にスタートして、全てのお客様が帰られたのが、22時くらい、それからスタッフ皆がエントラスに集まり、社長の号令で乾杯。みんなの目から熱い涙が流れたのは言うまでもありません。(私ぐらいかも・・・泣かないで、明日の朝からの取材やテープカットのことを考えていたのは・・・。社長からも薄情者呼ばわりされてしまいましたが。)
もちろん、この日も後片付けと翌日の準備で、近くのホテルに戻れたのは26時ぐらい。もうご飯を食べる元気も、力も出ませんでした。

そんな時、彼から携帯電話にメッセージが入っているのに気がつきました。
「オープンおめでとうお疲れ様でした・・・。」の簡単なものでしたが、私は初めて一人になった開放感と、その彼の暖かい言葉と心使いに胸が熱くなったのを覚えています。

そして、この日を境にますます仕事も楽しくなり、女としてこれからを考えられる気持ちになり、自分のこれからを再度考え直す、見つめ直す気分になりました。また他人と一緒に暮らすこともホンの少し考えられるようになり、楽しい老後、新しい生活というのを、彼と・・・。

つづく

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