OLD midroom

普通が一番おしゃれ。

ファッション雑誌を見ていて、時々そんな服、そんな着方って本当にするのかしらと首をひねる事がある。もちろんファッションといっても幅広く、モードといわれるかなりトレンド性の高いデザイン、クリエイティブ力の強いものや、コンサバといわれるトラッドをベースにしたような保守的な服、そしてその中にもモダンで都会的なコンテンポラリーなものなど、マーケティング用語をならべても仕方がないけれど、本当にさまざまな形で紹介されている。

でも私はいつもここで気になることがある。それは、おしゃれをする、おしゃれの楽しさとは、本当は何なのか?そして自分らしいスタイルってみんなはどのように思っているのかしら。
私は、若い頃から、この業界で働いてきたので本当にありとあらゆる洋服を見たし、着てきたと思う。その時代ごとに流行ったものや、その実年齢とはかけ離れたような贅沢なものまで、お金も時間も本当にたくさん費やしてきた。そして、それが間違いだとか、変だとか指摘されたことがあったとしても、私にとっては洋服、ファッションはなくてはならないものだった。そしてそんな失敗を繰り返すうちに選ぶ基準も変化し、自分らしい事、自分のお給料、生活、ポジションに見合ったものであること、そしてなによりも自分がそのスタイルをして気持ち良く生活できる、仕事ができること、そう思うようになった。多分、そう思えたのは30歳ぐらいになって自分の仕事に少し自信がついた時に重なっていたように記憶している。自分が周りに振りまわされることも減り、自分のことを冷静に見れるようになった時期。そして、もちろんみんなのよく知っているブランドのものを買ったとしても、その理由が若い頃のように、皆が持っているから、流行だからではなく、使いやすいものがたまたまそうだった。値段とモノが見合ったものがそれになった、というように選ぶ主導権が自分になったのだった。

そして、それと同時に美味しいものを食べに行ったり、きれいなものを見たり、いい音楽を聴いたり...そういう事も同時にするようになった。
つまりは自分の中で、衣食住全てにおいてバランスの良い生活が出来るようになったのだ。そして、もちろん家やインテリアもとても拘るようになった。(変な言い方だけど、高いブランドの洋服を着て4畳半に住んでいたり、その洋服を買うお金欲しさにご飯をケチるなんてことはしないということ)こうして、自分らしい、スタイルの基本がスタートし、とてもバランスよくお金も時間もかけられる本当の意味での生活ができるようになった。そして、そのために一生懸命、楽しく働いている、今日この頃。
やっと普通が一番おしゃれ、そしてそれが私のファッションスタイルと言えるようになった気がしている。
皆さんももう一度自分の普通、自然体をを探してみては如何ですか。

※ コメントはすぐに反映されません。公開されるまでにお時間をいただきますのでご了承ください。

このページの上部へ

ARCHIVES