OLD midroom

口紅を塗らない自分。

お化粧をするようになって、既に15年以上が経ち、最近はどんどんしないでいれたらどんなにいいのだろうかと、考えるようになってきました。シミもシワもますます増え、本当は素顔で人前に出る事はとんでもないという気持ちもあるのだけれど、何故だかそのほうが気持ちのいいときもあったりします。特に、口紅はこの何年もよほどのことがない限り、仕事の場では塗らない事が増えてきています。

10年前は仕事をする時に真っ赤な口紅を引き、そうする事で仕事に向かう気持ちも強くなる、やる気がでてくるなんてことを、人にも自分にも言い聞かせていたのに、どうしてこんなに変わってしまったのでしょう。確かに若い頃は何をしても、何を着ても、もちろんキレイですし、逆にしなくてもキレイ。でも年々すればするほど、老ける、疲れて見えるという事実。このアリ地獄のような状態から何とかして抜け出したいと思ったからでしょうか。それに、最近ではどうも自分の顔でこの口紅をした、フルでメイクした自分というのがとても嫌いだし苦手なのです。そして私にとってこの行為はある意味で、他の人との差別化に思えたり、自然で気持ちのいいスタイルにもなり、リラックスできる仕事もできる…、そんな風な感じなのです。

そして、こんなふうに自分の見え方、見せ方を変えていくことで実は自分を刺激し続ける事、見続ける事をやめないこと、このことはとても難しいけれど、愉しい事でもあります。若いころは人の視線や、どのように思われたいか、思われているのが良いのかなどを真剣に考え、また悩んだりしたものですが、最近やっと自分のスタイルを見つけることが出来たと思えたからかも知れません。そして外見や第一印象の大切さはもちろん無視する事は出来ないけれど、内面や生きていく姿勢そのものが重要だと気がついたのです。それが、そんな世間への小さな抵抗…、この口紅を塗らない自分の顔なのかも知れません。

お化粧をまったく辞めてしまう事は、やはり仕事をしている場、人にお目にかかることが多い今の状態では、なかなか出来ないかもしれませんが、自分の時間、素の時には本当の自分の顔に戻ろうかなと思ったりしています。そして自然に自分を感じながら生きていけたらうれしいです。肩に力の入っていない優しい気持ちで過ごす事が出来たら幸せです。素顔の自分と向き合いながら。

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