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ファッションビジネスを見直す時期?

この数年、ファッションが売れないという言葉をよく見聞きします。
特にレディスは難しい。
天候のせいもあるかもしれないけれど、売りたい時期に売れない。何が売れるかわからない、、、と。
DCブーム、バブル、インポートブランド全盛時代、セレクトショップが元気だった頃、百貨店の逆襲、ファストファッションの台頭、、、。この業界に長く身を置き、多くの波を体験したけれど、確かにここ数年のファッションに対する意識やモノに対する価値観の変化は、理解するのが難しくなってきて、どうやって乗り越えていけばよいのかと頭を抱えることもあります。
そして何より最近は、人を幸せにすること(=価値観)がモノからコトに変わってきたことを強く感じます。
若いころの自分は、高額品を身につける、有名なブランドを無理してでも買う、、、それがモチベーションをあげてくれる、明日からも頑張れる原動力でもありました。
ファッションに投資することがいつか身を結び、仕事にも役立つはず!と考えてきましたが、最近は私の周りの人たちを見ても、それよりは美味しいものやカラダに優しいものを食べたり、旅行など行きたいところに出掛ける、健康、肌や髪の状態に気を配る、といった以前とは違うお金の使い方をしている人が増えています。
私自身も昔のようにファッションばかりでなく、カラダと心のメンテナンスのために時間とお金を使うことも多くなりました。

だから、ファッションだけでは人は幸せにできないということは重々理解しているつもりだけれど、やっぱりステキな洋服に袖を通した時のワクワク感は忘れたくないし、そんな商品を作りたい、探したい、伝えたい。
それが私のミッションの1つではないか? とも思うのです。
シーンやポジションに合うスタイリングを選び、きちんと身に着けることをもう一度見直してみる。そんなお手伝いができたなら、昔のように何でもどんどん売れる時代には戻らないとしても、今のような悲しい状況を少しは改善できるかも?

展示会周りをしながらそんなことを感じた今日このごろ。
私自身もファッションと真摯に向き合い、丁寧な仕事の仕方をもう一度見つめ直さなくてはならない時期にきているのかもしれません。

今は2年ぶりにやってきたミラノにいます。
原点に戻って、そんなことを考えるいい機会になりそうです。

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