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THANK YOU SHINJUKU

1990年、30代に入り始めて自分の今後の事や仕事について真剣に考え始めた私。NYで出会った、日本ではまだ見たことも感じたこともなかった素晴らしいお店がそんな私の大きな転機になりました。

初めてのNY旅行でダウンタウンにあったバーニーズニューヨークに行った時、黒人のドアマンに車寄せ、リムジンで乗りつけるビジネスマンの姿に圧倒されたのを思い出します。
一階には重厚な作りの什器に食器や化粧品、インテリア雑貨にルームフレグランス、どれをみても日本ではあの頃まだ見たことのないようなものが美しく並んでいました。
そしてそれを売る販売員の人の存在感と自信に満ち溢れている笑顔は他のどこにもない店の格のようなものを感じ、自分の未熟さやその場に似合わない幼さを思い知らされる日となりました。

そしてその衝撃を忘れることが出来なかった私に届いたバーニーズニューヨーク一号店が新宿にできるという嬉しい話、、、あの時どうしてもバーニーズニューヨークで働きたいという熱い思いと同時に縁がつながり、オープン前にPR担当として働けることになりました。
見たことのないようなあの美しいビル、内装も外装も新宿の街で一際目立っていたことを思い出します。

全てが新しいことだらけ、人も、物も全てがキラキラ輝いて見えました。
オープン前は毎日夜中まで働き、準備に明け暮れ、オープンしてからはもっともっと忙しいけれど刺激的な日々。
多くの人に出会い、多くのことを学び、在籍中は何十回もNYに出かけ、バーニーズのテイストとエアーを感じろ、忘れるなと言われ、それと同時に今で言うマーケティングを叩き込まれ出張中はヘトヘトで、いつも数キロ痩せて帰って来るくらいの緊張感と、今までの自分の仕事の仕方、考え方との葛藤に押しつぶされそうになっていた時期でもありました。

でも、バーニーズが大好きで、一緒に働いている仲間も大好きで任せてもらったことが一つ一つ形となり売り上げに繋がり、バーニーズニューヨークの紙袋を持っている人を街で見るたびに嬉しくて、、、やりがいと仕事の楽しさを感じることが出来たあの頃。
あれから30年、今回バーニーズニューヨーク新宿店が閉店するというニュースは寂しさと同時に、感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。
あの日、あの頃の日々があって今の自分がある。
あの時出会った仲間は家族のようであり戦友のようでもあり、いつ会ってもすぐにあの日に、あの頃に戻れるような、強い絆を感じています。
大好きだったバーニーズニューヨーク新宿店
私の今を作ってくれたあの日々、あの場所。
THANK YOU SHINJUKU

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