私は、やり始めるのが意外となんでも遅い子で、実は今一番好きなことの車の運転というのも、28歳か29歳で免許をとった。 しかし、その免許の試験を受けにいったその日には、私の家の駐車場には新車が届いていて、午後にはもらったばかりの免許を持って横浜まで第三京浜をドライブして、親に死ぬほど怒られたことを思い出す。でもそのおかげで、私はどんどん一人で運転して自分の行きたいところに行けるようになり、また自分ひとりの時間を楽しむことも自然にできるようになった。 この、車の免許がもたらした私の生活の変化はとても大きいもので、それまで常に誰かに依存して生きていた私に、一人でいることの楽しさを教えてくれた。 今ま...
OLD midroom - 2001/04
皆さんは、ご自分の趣味をお持ちですか。 私は、正直言ってこれを聞かれると一番困ってしまう。 何故なら、30歳を過ぎた頃から、働くことの延長イコール趣味のような生活を送っている自分に気が付いたからだ。 もちろん、ゴルフも適度にはやるし、ご飯は食べるのも作るのも好きだし、映画も必ず新作はチェックするし、読書も大切な息抜き。でも、趣味かというとどこか違う気がする。私の中では趣味とは、仕事以外の楽しみであって、休みになれば必ずそうしたくなるもの、あるいは時間をどうにか作ってでもやりたいという代物。でも今の私にそれほどのものはない。他のなによりも、というほどではないけれど、仕事の方が優先する。 仕事の方...
私は、25歳の時に、かなり年が離れた人と出会い、結婚をした。 自分のことも、まわりのこともまだ何も分からないその頃の私にとっては、その人との生活は、時にか父であったり、兄であったり、また仕事場での上司になったりととても都合の良いまた、居心地の良い生活だった。親元から、離れて暮らしたことがなく、しかも驚くほど厳しい門限に縛られていた私にとって、それはもう天国のような、自由で楽しい毎日だった。10年ぐらい経って、彼のやっていた事業が失敗するまでは・・・。本当に、贅沢三昧、わがままし放題で、でもおかげで楽しく、思う存分仕事と遊びに打ち込めた。 しかし、人生とは、甘いものではない、やはりどこかで試練と...
私は、体質だったのか、それとも親が異常に厳しかったためか、20代の頃は、全然お酒というものが飲めなかった。気持ちが悪くなるとか、頭が痛くなるとか、体が受け入れないというわけではないのだけれど、何故か、苦手だった。もちろん、夜遅くまで遊んでいたり、友達や周りがどんなに飲もうと、かまわないし、その雰囲気や、そういうお店は大好きなのだけれど、お酒が美味しいとか、自分から飲みたいとかそんな気持ちになったこともなかった。 それが、”まるで違う人が、もう一人現れたのでは” と思うようなことが、30歳になってから起きた。 お酒が、ある日突然、美味しいと感じたのだ。 しかも、一番嫌いだった日本酒が、冷たくした...