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新しい視線

いつものことながら、半年に一回のお約束、またまたミラノに来週から出かけます。
つい最近出かけたような気になっていましたが、もう半年が過ぎていたなんて本当に驚きです。そして、今回のコレクションはどんな感じになるのか?といつものことではありますが楽しみな気分です。

デザイナーの皆さんにとってはいつものごとく、自分の作品が世の中に認められるか?また商売としてきちんと成立するのかが問われる時。きっといい意味での緊張感で胃が痛くなるような日々を過ごしていることでしょう。でも、デザイナーの方々も何年か前、もしくは何十年か前にはきっとこんなことをしていたのでは、と思うようなところに伺う機会がありました。それは、ある服飾学校の生徒さんたちの卒業制作発表会の審査員を今週させて頂いたからかもしれません。みんな、目をきらきらさせて自分の作品を私や一人一人の審査員の方に一生懸命に分かってもらいたい、認めてもらいたいという熱い雰囲気。いつになく新鮮で楽しいお仕事でした。ただ、すごく残念だったのは彼らのコンセプトやターゲットがあまりにも特別な人が多かったことにはちょっとショックでしたし、また何十年も前に見たような構築的な奇抜なもの、着ることよりも見た目重視なもの、着心地、動きやすさとはかけ離れていたり、またその逆であまりにも自分たちの世界に近いものだけだったり、自分の好きなものばかりだったことでした。時代がこれだけ流れ、変化しているのに変わっていないことがあまりにも多すぎてちょっと驚いてしまいました。一人の人として、作りたいものを作る、考えるというのはいったいなんなのでしょうか?また人の心を動かすものを作る、創造するというのは、なんて大変なことなのでしょうか?私はデザイナーではありませんが、お店を作る時などは自分よがりになっていたりしていないかなーとか、、、、なんだか考えてしまいました。でも、あのきらきらした熱い目は私のように何十年も仕事をしたとしていても、忘れたくないし、忘れてはいけないはず。そしてそんな、思いで今回のミラノを見てこようかと思っています。

初心忘れるべからず、、、、仕事に対する熱い気持ちも失うべからず。

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