OLD midroom

私は、体質だったのか、それとも親が異常に厳しかったためか、20代の頃は、全然お酒というものが飲めなかった。気持ちが悪くなるとか、頭が痛くなるとか、体が受け入れないというわけではないのだけれど、何故か、苦手だった。もちろん、夜遅くまで遊んでいたり、友達や周りがどんなに飲もうと、かまわないし、その雰囲気や、そういうお店は大好きなのだけれど、お酒が美味しいとか、自分から飲みたいとかそんな気持ちになったこともなかった。 それが、”まるで違う人が、もう一人現れたのでは” と思うようなことが、30歳になってから起きた。 お酒が、ある日突然、美味しいと感じたのだ。 しかも、一番嫌いだった日本酒が、冷たくした...

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私は、どちらかと言うと転職を多く経験している方で、特にこの10年間ぐらいの間は、ヘッドハンティングの形で動くことも多くなった。 そのたびに、変な言い方ではあるが、自分の市場価格を知ったり、声をかけてくださった会社の内部が見えたりして、とても不思議な気分を味わった。 また、人の噂はこんなにも当てにならないものか・・・ということや、よくも何も知らないで知ったように言えるものだ・・・ということも嫌と言うほど思い知らされた。 その上、知名度のある会社イコール看板のあるときには、いろいろな人が寄ってくるのに、名もない、これからどうなるのかも分からないようなところに移動したときには、誰も、寄っても来ないし...

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私は、ちょうど10年前ぐらいから、よく海外に仕事で行くようになった。 それまでも、友人とは旅行に行ったりもしていたので、バーニーズの面接の時も、英語は話せます。と言ったりしてかなり自信があった。 ところが、N.Y.に初めて、一人で出かけたとき、ビジネスで使う英語はこんなにも違うのかと、目の前が真っ白になった。言っていることは、ほとんど解かるのに、それに答えることができない。英語でなんと言ったら一番良いのかが、自分の頭の中では組みたてられない。怖くて、イエス、ノーが言えない。こんなところで、こんなにもどんどん決めていっていいのか、しかも英語で。もう、パニックの連続。 一週間で、あっというまに、白...

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この仕事をするようになってから、海外に出かけるときが増え、イタリア、ニューヨーク、パリ、ロンドンで多分、自分と同世代の働く女性達を見ることが増えた。 色合わせや、着こなしのうまさに加えてトレンドを自分なりに消化し表現しているかっこよさは、やはりかなり学ぶことが多い。 自分の年齢より10歳以上も年を重ねていても、また10歳も若かったりしていても女である事を忘れていないその色気とその努力には頭が下がる事が多い。 そして、その都度、何が今の自分には欠けているのだろうかと考え、全身を鏡に写してみたりする。同じような黒のジャケットは着ているし、足が美しく見えるようなストレートなパンツもはいているし、トレ...

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仕事ができる人が、必ずしも恋愛の対象になるとはかぎらない。 でも、こんなに忙しい中で、簡単に自分のタイプの人に会えるわけがないし、年齢があがればあがるほど、まさか合コンというわけにもいかず、ますます問題が増えるばかり。 しかも、私のように誰かと知り合うときに、その人のバックボーンがとても気になるので、会ったとたんに、恋におちるとか、一日だけの愛人みたいになるにはほど遠い。 その上、同じ会社の人や、仕事でかかわりがある人とは、絶対にそうなりたくない、と思っていると、ますます進まない。 でも、実際は誰もが、誰かと知り合い、ドキドキするような関係を持ちたいと思っているだろうし、仕事や、家族以外の人に...

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